こんにちは。はすみ歯科クリニックの本部です。
前回の「お口に合った口腔ケアグッズを選ぶためのポイント①」に引き続き、今回が「歯磨きはなぜ大切なのか」自分に合った「ハブラシの選び方」「ハブラシの交換時期」についてのお話をしていきます。
【歯磨きはなぜ大切なのか】
歯磨きは、歯に付いた汚れを取るために行います。食べカスは簡単に取れるのですが、むし歯菌は粘っこいため、かなり丁寧に磨かないと取れません。これは時間が経つと、どんどん厚みを増していき、バイオフィルムと言って、排水溝のぬめりと同じような膜が歯に付着し、むし歯や歯ぐきの炎症の原因となっていきます。また、歯と歯の間にはハブラシの先が入りません。そのため、デンタルフロス(糸ようじ)なら簡単に歯と歯の間に入ることができ、汚れを簡単に落とすことができます。
歯磨きだけではお口全体の歯垢を60%しか除去できませんが、フロスを使うことによって、除去率は20%上がると言われており、ハブラシと一緒にフロスを使用することがおすすめです。
【ハブラシの選び方】
ハブラシ選びのポイントは2つあります。
1つ目は、むし歯予防、歯周病予防など「使用する目的」に合わせること。2つ目は、歯ぐきの状態に合わせた「毛のかたさ」です。
1.「むし歯、歯周病を予防したい」場合
「むし歯予防」では、毛先が平らになっているものが適しています。接触面積が広いので歯面の汚れを除去すことができます。
「歯周病予防」では、歯と歯ぐきの境目を綺麗にすることが大切です。そのため、毛先に向かって細くなるように作られている毛が適しています。歯と歯ぐきの隙間に入り、効果的に汚れを除去できます。
2.歯ぐきの状態に合わせた「毛のかたさ」の選び方
ハブラシの毛のかたさには、「ふつう」「やわらかめ」「かため」の3種類が表記されています。ハブラシの毛のかたさは「歯ぐきの状態」に合わせて選ぶと良いでしょう。
ふつう:一般的なかたさで、効率よく汚れを除去できます。
歯ぐきの状態が健康なら「ふつう」のハブラシを選ぶのが基本です。
やわらかめ:歯ぐきへのあたりが優しいのが特徴です。
歯ぐきが炎症しやすい方や磨いて出血したり痛かったりする方におすすめです。
歯ぐきの状態が改善したら「ふつう」のかたさに変えていきましょう。
かため:汚れを落とす力が高いのが特徴です。
しっかりとした磨き心地を好む人におすすめです。
【ハブラシの交換時期】
ハブラシを交換するタイミングは、使い始めてから1カ月程度とされています。
毛先が広がることで、プラーク(むし歯菌)の除去率も低下してしまいます。そのため、その状態のまま1ヶ月以上使用して歯磨きをしていても全く汚れが落ちず、虫歯や歯周病になる恐れがあります。古いハブラシには菌が多く、それを使用することで口内に菌を運ぶことにもなります。また、ハブラシ特有の毛先の弾力がなくなり、歯ぐきを傷つけやすくなります。
ハブラシを1カ月に1度定期的に交換をして毎日の歯磨きで効率的に歯垢を除去できるようにしましょう
日常の歯磨きでは完璧に歯垢を除去することは出来ません。どんなに歯磨きを頑張っていても、歯石は少しずつ付いていきます。歯と歯の間や奥歯、歯ぐきの境目など、磨き残した歯垢はたった2日で歯石となってしまいます。歯石の表面はでこぼこしているので細菌が付きやすく、むし歯、口臭、歯周病などのリスクを高めます。歯石は歯磨きでは除去出来ません。
そのため、定期的に歯医者で検診や歯石取りを行ってもらいお口の健康を維持しましょう。
監修 歯科医師 蓮見卓真