こんにちは。はすみ歯科クリニック歯科衛生士の追立です。
「最近、口のにおいが気になる…」「特に朝起きた時の口臭が強烈な気がする」「人と話すときに相手の反応が気になる」そんな悩みを持つ人は、意外と多いものです。特にマスク生活が続いたことで、自分の口臭に敏感になったという声もよく聞かれます。
口臭は、単に「歯を磨けばいい」という問題ではありません。実は唾液の量が大きく関係しているって知っていましたか？
今回は、口臭の原因と対策に加えて、最近注目されている「唾液腺マッサージ」について詳しくご紹介します！
≪口臭の原因って何？≫
口臭の原因はさまざまですが、主な要因はこちらに大きく分かれます。
・虫歯
虫歯による口臭は、虫歯の穴にたまった細菌や食べかすが腐敗して悪臭を放つことで起こります。
進行すると膿や神経の腐敗臭も加わり、さらに強い臭いに。
口臭が気になる場合は、虫歯の早期発見・早期治療を行う事が大切です。
＊「子供がすぐ虫歯になる意外な原因！永久歯への悪影響について」は こちら
・歯周病
歯周病による口臭は、歯ぐきの炎症や膿、歯周ポケット内の細菌が原因です。特に進行すると、特有の不快な臭い（腐敗臭や血のような臭い）が出ることがあります。
見た目では気づきにくいため、定期的な歯科検診が予防・早期発見につながります。
＊歯周病の治療法「ＳＲＰ」については こちら＊
・舌苔（ぜったい）
舌苔とは舌の表面に白く溜まる汚れで、細菌や食べかすが繁殖することで口臭の原因となります。
薄く舌苔があるのは生理的なものであるため異常はありませんが、舌苔が厚くなると菌の温床となり、口臭の他に誤嚥性肺炎の原因となる可能性があります。
舌苔を取り除くためには、専用の舌ブラシを使用して優しく舌を清掃する方法が有効とされています。ただし、強くこすりすぎると舌を傷つける恐れがあるため、適度な力で行いましょう。
また、お口の乾燥が舌苔を増やす要因となるため、水分補給やうがいを心がけることも大切です。
舌のケアを日常的に行うことで、口臭の予防につながります。
・ニンニク、アルコール、タバコなどの食べ物や嗜好品
・唾液の減少（ドライマウス）
ドライマウスは、唾液の分泌が減ることで口腔内が乾き、口臭の原因になります。ドライマウスは加齢、薬の副作用、ストレス、口呼吸、糖尿病やシェーグレン症候群などが要因とされています。
意外と見落とされがちな唾液の量。
唾液には、「殺菌作用」「消臭作用」「自浄作用」などがあり、口臭を防ぐ大事な役割を持っています。しかし、ストレス・加齢・薬の副作用・口呼吸などによって唾液が減ると、細菌が増殖しやすくなり、結果的に強い口臭へとつながってしまうのです。
≪唾液の分泌を増やすには？≫
唾液を増やす方法はいくつかありますが、手軽で今すぐできるのが「唾液腺マッサージ」です。唾液腺を刺激することで、唾液の分泌が促され、口の中が潤い、においの元となる菌の繁殖も抑えられます。
唾液腺は、主に以下の3つがあります。
耳下腺：耳の下あたり
顎下腺：あごの骨の内側
舌下腺：舌の付け根あたり
これらを順番にやさしく刺激することで、唾液の分泌が促されます。
◆唾液腺マッサージの手順
①耳下腺マッサージ
両頬に指を当て、上の奥歯あたりを指全体で円を描くようにマッサージしていく。
②顎下腺マッサージ
両手の親指を顎の骨の内側柔らかい部分（くぼみ）に当て、耳の下から顎の先あたりまで5カ所程を目安に軽く指で押していく。
③舌下腺マッサージ
顎下の中央の柔らかい部分に、両手の親指をくっつけ、10回ほど上方向にゆっくり押し上げる。
※各マッサージは5～10回繰り返すと効果的です。
◆こんな人におすすめ！
・口の中が乾きやすい（ドライマウス）
・ストレスを感じやすい
・緊張すると口が渇く
・加齢とともに口臭が気になってきた
・コーヒーやタバコを日常的に摂取している
唾液腺マッサージは、これらに当てはまる方に特におすすめです。
◆ その他の口臭対策も併用しよう！
唾液腺マッサージは効果的ですが、やはり日常的な口臭対策と組み合わせることで、より高い効果が得られます。
① 正しい歯磨き＆フロス
② 舌ブラシ：舌専用のブラシや、やわらかい歯ブラシでお掃除することを日常ケアに取り入れてください。強い力でこするのは逆効果になるので要注意！
③こまめな水分補給
④食生活の見直し
⑤定期的な歯科検診
3〜6ヶ月ごとに歯科医院で歯科検診を行うことが理想的です。
早期発見・早期治療が、健康なお口の状態を維持する鍵となります。