こんにちは。はすみ歯科クリニック 歯科衛生士の追立です。
6月4日から10日まで「歯と口の健康週間」です。
お口のトラブルといえば虫歯や歯周病が広く知られていますが、最近はTCH(歯列接触癖)が注目されています。
≪TCH(歯列接触癖)とは≫
TCH(Tooth Contacting Habit)は上下の歯が無意識のうちに接触している状態を指します。
通常、上下の歯は食事中や会話中に接触しますが、上下の歯が接触する時間は1日20分程度が正常とされています。
TCHではそれ以外の時間帯でも歯が接触している状態が続きます。
この状態が長期間続くと、顎関節や歯に負担がかかり、さまざまな症状が現れることがあります。
≪原因≫
TCHはスマホやパソコンなどを操作するときのうつむいた姿勢で長時間集中して作業を行うことが原因のひとつとして挙げられます。
また、寝不足、疲れ、ストレスを抱えている場合もTCHを起こしやすくなるため、TCHは現代病の一つと言えるでしょう。
日常生活でも運転中、料理や掃除などの家事、力仕事などの緊張・集中が必要な場面で無意識に歯が接触している機会が多い方もTCHの傾向があります。
≪症状≫
代表的な症状は知覚過敏です。
また、歯の痛みや違和感が生じることも多く、痛い時もあれば痛くない時もあるといった不規則に症状が出ることが特徴です。
顎関節症を発症することも多く、お口が開けづらい・顎周りに痛みを感じる事や、噛みしめる事が多いことにより首から肩にかけての痛みが出ることもあります。
他にも詰め物の下が虫歯になる(二次カリエス)、歯周病の進行、歯が欠ける、詰め物/被せものが壊れる・取れやすい、慢性的な口内炎、エラの張りなどお口の症状や
頭痛、肩こり、腰痛、耳鳴り、めまいなどお口以外に体の方にも影響を及ぼす要因になります。
歯が接触し続けると唾液が出るため飲み込む頻度が上がりますが、唾液と一緒に空気も取り込むことから、TCHの方はおならやげっぷが増えることがあるようです。
≪TCHを予防・改善するためには?≫
TCHの治療法には
・ストレス管理
・姿勢の改善
・マウスピース(就寝時に使用するナイトガード)の使用
が有効です。
また「リラックス」「歯を離す」などを書いた付箋や紙を普段目につくところに貼り、歯と歯が触れないように意識するだけでも症状は改善していきます。
TCHや歯ぎしり、食いしばりは無意識に行っていることが多く、自覚することが難しいため、気付かぬうちにお口や全身の様々なトラブルにつながっています。
もし気になる症状がありましたら、ご気軽に歯科医院にご相談ください。