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子供の歯科矯正『拡大床』とは?

こんにちは。はすみ歯科クリニック歯科衛生士の追立です。

今回は『子供の歯科矯正装置・拡大床』についてお話します。

 

*当院の小児歯科についてはこちら

 

拡大床とは歯が綺麗に生えるスペースが足りない場合に上顎や下顎の歯を外側に移動させることで抜歯せずにスペースを作り、歯を並べる装置です。着脱可能な矯正装置のネジで調整し、少しずつ歯列の幅を広げるようになっており、床装置とも呼ばれています。

当院では子どもの矯正治療で使用しており、取り外しや調整は患者さん自身や保護者の方に行って頂きます。

 

しかし装着時間が短いと治療期間が長くなってしまったりと、計画通りに治療がすすまなくなるケースもあるので注意が必要です。

 

 

《適している歯並び》

 

・八重歯やガタガタしている歯並び(叢生・乱ぐい歯)

・出っ歯(上顎前突)

など、あごが狭く歯が並ぶスペースが十分にないことが原因になっていることが多い歯並びが、当院では拡大床の適応ケースと判断されます。

 

※当院は受け口(反対咬合)、深い噛み合わせ(過蓋咬合)などの不正咬合は、要相談になります。

 

当院に拡大床にて通院されているY.Kさんの比較写真です。

主訴:学校の歯科検診で歯並びの項目にチェックがあったため、矯正相談を希望。
治療内容:拡大床
治療期間:約1年半
費用:165.000円
リスク・副作用:

・全ての歯並びに適応できるわけではない

・使用時間が短いと治療期間が長くなる

・紛失や破損のリスクがある

 

《メリット》

 

①歯を抜かずに矯正できる

②取り外しが可能

③装置が目立ちづらい

 

拡大床による矯正治療のメリットは、歯列を広げて歯並びや顎の骨の発達を改善できる点です。

成長期である子供の頃から使用すれば、上顎の骨が広がることで、口呼吸から鼻呼吸への改善も認められるケースも多く見受けられます。

 

*「子供のお口ポカン、口呼吸について」はこちら

 

また拡大床のメリットで最初に挙がる内容として多いのが、抜歯をせずに矯正が出来る点です。

拡大床装置は食事中や歯磨きの時など、取り外しが可能なので、従来のブラケット装置でネックになりやすい食事や歯磨きを通常通り行うことが出来ます。

装置を外して歯磨きが出来るため、細かいところまで歯ブラシが届き清潔を保つことが出来るため、虫歯予防や歯肉炎予防などにもつながります。

 

≪デメリット≫

 

①全ての歯並びに適応できるわけではない

②使用時間が短いと治療期間が長くなる

③紛失や破損のリスクがある

 

拡大床は全ての症例に適しているわけではなく、適応できないケースも少なくありません。場合によっては拡大矯正後ワイヤーあるいはマウスピースでの矯正が必要になるケースもあります。

 

また、当院では1日20時間装着するのが理想であり、基本的には食事以外の時間は装着することが望ましいです。

例えば体育の時間などは安全性の面から外すことをおすすめしていますが、そういった取り外しのタイミングで拡大床を紛失・破損する恐れがあります。

拡大床を外している間は、必ず専用のケースに保管しましょう!

 

 

≪適正年齢≫

 

当院の拡大床での治療の目安は7.8歳になります。

3番目の歯(犬歯、糸切り歯)が生える前までであり、かつレントゲンの状態次第となります

 

≪費用≫

 

当院では、拡大床(上下の全額)の費用は250,000円+税 となります。

 

監修 歯科医師 蓮見卓真